2014年3月7日金曜日

能力・適性欠如を理由とする解雇

 能力や適性欠如を理由とする解雇が頻発しています。世間の常識では、「能力がない人間は辞めさせられても仕方がない」と思われています。果たしてそうでしょうか?
 まず、解雇が有効かどうかは就業規則上の解雇事由に該当するかどうかで判断されます。つまり、就業規則で根拠のない解雇は無効だということです。仮に、就業規則上、解雇に該当するとして、私たちは、このような解雇をどう考えたらよいのでしょうか?
 経営者が「能力が不足している」と考える従業員とは、つまるところ、自分が求める水準に達していない従業員の事です。したがって、経営者が「同じ給料で、彼よりもっと成果を上げてくれる人がいるに違いない」と思えば、すべての従業員が対象です。
 このような身勝手な判断が社会通念上許されるはずはありません。裁判所は、今のところまだ、能力・適性欠如に基づく解雇は厳しく制限しています。単に人より能力が劣るということだけでは解雇は認められず、教育訓練や他の部署への配転など、解雇を回避するための最大限の努力が求められます。だから、会社は、パワハラやいやがらせをとおして「自主退職」を迫るのです。
 会社に不穏な動きがあったら、その言動をきちんとメモしておきましょう。そして、もし、「解雇」と言われたら、納得できない旨明確にし、解雇理由を文書で明らかにするよう求めましょう。

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