2014年3月18日火曜日

年俸制について

 年俸制についての相談がありましたのでコメントさせていただきます。
 皆さんは、年俸制というと、プロスポーツ選手のように、毎年契約更改されて合意が成立しなければ自由契約になると思っていませんか?サラリーマンの年俸制は、賃金が1か月単位ではなく1年単位で決まるというだけで、もちろん、労働基準法や労働契約法が適用になります。したがって、毎月決まった日に賃金を支払わなければなりませんし、時間外割増し賃金も支払わなければなりません。個人事業主ではないのです。
 問題は、新年度の賃金について合意が成立しない場合です。裁判所の見解は次のようになっています。
 期間の定めのない雇用契約における年俸制において、使用者と労働者の間で、新年度の賃金額についての合意が成立しない場合は、年俸制決定のための成果・業績評価基準、年俸決定手続き、減額の限界の有無、不服申し立て手続き等が制度化されて就業規則等に明示され、かつその内容が公正な場合に限り、使用者に評価決定権があります。このような要件が満たされていない場合は、労基法15条、89条に照らして、特別な事情が認められない限り、使用者に一方的な評価決 定権はないと言えます。
 このような場合、年俸額で合意が成立しない時は、使用者は前年度の年俸額をもって次年度の年俸額としなければなりません。
したがって、重要なことは、会社にきちんとした合理的「規定」が存在するかどうかです。社長が評価し決定するでは通用しません。参考にしてください。

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