2015年1月14日水曜日

2015年の展望

 新しい年を迎えて、今年はいったいどんな年になるんだろうかと少し予測してみました。
 まずは、日本の経済はどうでしょうか?原油価格が暴落傾向にあることで、株価は乱高下していますが、その影響で、欧州そしてロシアが不安定になっている以上、アメリカがいかに好調と言っても株価は全世界の動向に影響を受けるため、株高を維持し続けること難しいのではないでしょか。一方で円安は進むでしょうから、生活必需品や中小企業の原材料は、原油価格暴落の割には価格上昇が続くと思います。日銀は、2%のインフレを達成し、株価を上げるために量的金融緩和を再び行うでしょう。そうすると、かつてのスタグフレーションの再来です。つまり、インフレが続き景気は回復せず、もちろん賃金も上がりません。全体のわずか1%程度の企業の賃金が上がるのみです。一時的にはバブルが起こる可能性がありますが、それも、石油価格の回復とともにはじけてしまいそうです。企業に余っているお金は、株式の運用、すなわち、投機マネーとして使われ景気回復のための設備投資には向かいません。実態がないのです。
 働く人たちの状態はますますひどくなっていきます。ホワイトカラーエグゼンプションは、最初は、年収1075万円以上の非管理職に導入ということで、対象者は少ないということですが、労働者派遣法の時と同じく入れば次々と対象者は拡大していきます。竹中平蔵は「正規職員をなくせばよい」と公言し、非正規労働者がこれに賛同しています。パイを巡って労働者同士が死に物狂いで奪い合う構図でしょうか。非正規労働者を正規労働者に引き上げるのではなく、正規労働者を非正規労働者に引き落とす。これまで、虐げられてきた人たちはとりあえずは喜び、その先にはどん底に突き落とされるのでしょうね。
 でも、辺野古移設に反対する沖縄の人たちは頑張っています。戦争をさせない1000人委員会も各地で踏ん張っています。のり越えネットが全国に広がってきました。反原発の運動も勢いを失っていません。自治体では全国の非正規労働者が組合結成に立ち上がっています。まだまだ展望はありそうですね。

2014年12月10日水曜日

自民単独で2/3の勢い?!

 解散総選挙になってから、腹立たしくて、選挙については触れまいと思っていました。しかし、自民圧勝の選挙情勢を聞くにつけ、怒りを通り越して、選挙後の社会情勢に暗澹たる気持ちになってきました。政治と私たちのかかわりについて、皆さんはどう考えているのでしょうか?まず、政党は、全国民の代表ではありません。社会を構成する特定の階層・特定の団体の利益代表です。自民党はもちろん財界と富裕者層の利益代表です。私たち労働者の代表ではありません。政治の影響で何が問題になるのか、広島県立大学の都留民子教授がある集会の中で公演されたお話の中に現在の私たちの状況が的確に示されていますので、一部、抜粋・要約させていただいて紹介します。
「かつては、貧困というのは、労働者階級の問題じゃないんだ、いわゆる生活保護を受けたり、弱者の問題、高齢者の問題だとか、障害者の問題だとか、そういうことを言われていたんです。 実は、貧困とはそうじゃない。貧困とはどうなのかというのは、これ有名なイギリスのタウンゼントという人がこういうことを言っているんです。『勤労者階級が生み出した社会的な富が不平等に分配された結果、これが貧困なんだ。』だから、私たち、貧困というのは勤労者階級の生活のバロメーターだとみています。
 勤労者階級が生み出した社会的富が分配されるということで、一時的な分配はもちろん賃金とか収入です。稼働収入と言われるものです。・・・・・・だから、資本主義は第一次分配の時で、必ず大きな不平等が出ます。・・・・・・ここで平等になることはない。ここで格差ができる。だから、ここであまりにもひどい格差を招いてはいけないというので最低賃金があるわけです。・・・・・・・第二次分配、再分配、これが社会保障です。・・・・・・・・たとえばイギリスなんかですとフランスも私たち研究していると、第一次分配の時じゃ、かなり不平等があるんです。・・・・・・ところが社会保障によって、みんな分配を、再分配をしていきます。たとえば医療は無料である。教育は無料である。幼稚園から大学まで無料である。それから、子育ても。ヨーロッパの場合は幼稚園から大学まで学費はいりません。そして、それプラス子ども手当がある。・・・・・・・子どもにはほとんどお金がかからない。子育てにお金がかからない。つまり、子育てが社会化されている。それから、老後は年金があります。ここも社会化されています。・・・・・・・フランスなんか生活保護をもらっている高齢者は一人もいません。年金があるからです。最低年齢年金があるから、3か月年金を拠出すればもらえる。」
「フランスとかヨーロッパは失業しても貧困にならないんです。これは第二次分配がしっかりしているからです。失業保険は、1日働いたら1日の給付、1年働いたら1年間失業保険をもらえる。50歳未満だったら最大3年間、50歳以上だったら5年もらえます。だから失業してもあまり怖くない。・・・・・・失業保険に労働組合がかなり関与しています。なぜ、このようなことをやるかというと、失業者をいかに保障するかというのが労働者階級にとってものすごく大事なことだからです。失業中の労働者が生活に困窮して、どのような労働条件でも附くようになって、どんな仕事でも就くようになる、窮迫販売すると、(全体の)労働条件が急速に下がるからです。日本の場合は非正規の労働者はヨーロッパの非正規とはずいぶん違う。4千数百万人の労働者のうち4分の1が200万円以下のワーキングプア、このような状況で失業率が(ヨーロッパより)低い、なぜ低いかというと窮迫販売してします。とにかく生活が困っているから。・・・・・・・労働者が身体をはって失業者の生活保障をするわけです。そうして全体の労働条件を上げていく。」
「だから、私たち社会運動というのは何かというと。自分たちが生み出した富を取り返す運動だ。企業から自立して、平等な社会ということは、賃金依存の生活を見直して、社会保障による生活の社会化。この時に国家の権力を使う。・・・・・・そして民主主義というのは、国民の声が反映できるんです。」