2014年12月10日水曜日

自民単独で2/3の勢い?!

 解散総選挙になってから、腹立たしくて、選挙については触れまいと思っていました。しかし、自民圧勝の選挙情勢を聞くにつけ、怒りを通り越して、選挙後の社会情勢に暗澹たる気持ちになってきました。政治と私たちのかかわりについて、皆さんはどう考えているのでしょうか?まず、政党は、全国民の代表ではありません。社会を構成する特定の階層・特定の団体の利益代表です。自民党はもちろん財界と富裕者層の利益代表です。私たち労働者の代表ではありません。政治の影響で何が問題になるのか、広島県立大学の都留民子教授がある集会の中で公演されたお話の中に現在の私たちの状況が的確に示されていますので、一部、抜粋・要約させていただいて紹介します。
「かつては、貧困というのは、労働者階級の問題じゃないんだ、いわゆる生活保護を受けたり、弱者の問題、高齢者の問題だとか、障害者の問題だとか、そういうことを言われていたんです。 実は、貧困とはそうじゃない。貧困とはどうなのかというのは、これ有名なイギリスのタウンゼントという人がこういうことを言っているんです。『勤労者階級が生み出した社会的な富が不平等に分配された結果、これが貧困なんだ。』だから、私たち、貧困というのは勤労者階級の生活のバロメーターだとみています。
 勤労者階級が生み出した社会的富が分配されるということで、一時的な分配はもちろん賃金とか収入です。稼働収入と言われるものです。・・・・・・だから、資本主義は第一次分配の時で、必ず大きな不平等が出ます。・・・・・・ここで平等になることはない。ここで格差ができる。だから、ここであまりにもひどい格差を招いてはいけないというので最低賃金があるわけです。・・・・・・・第二次分配、再分配、これが社会保障です。・・・・・・・・たとえばイギリスなんかですとフランスも私たち研究していると、第一次分配の時じゃ、かなり不平等があるんです。・・・・・・ところが社会保障によって、みんな分配を、再分配をしていきます。たとえば医療は無料である。教育は無料である。幼稚園から大学まで無料である。それから、子育ても。ヨーロッパの場合は幼稚園から大学まで学費はいりません。そして、それプラス子ども手当がある。・・・・・・・子どもにはほとんどお金がかからない。子育てにお金がかからない。つまり、子育てが社会化されている。それから、老後は年金があります。ここも社会化されています。・・・・・・・フランスなんか生活保護をもらっている高齢者は一人もいません。年金があるからです。最低年齢年金があるから、3か月年金を拠出すればもらえる。」
「フランスとかヨーロッパは失業しても貧困にならないんです。これは第二次分配がしっかりしているからです。失業保険は、1日働いたら1日の給付、1年働いたら1年間失業保険をもらえる。50歳未満だったら最大3年間、50歳以上だったら5年もらえます。だから失業してもあまり怖くない。・・・・・・失業保険に労働組合がかなり関与しています。なぜ、このようなことをやるかというと、失業者をいかに保障するかというのが労働者階級にとってものすごく大事なことだからです。失業中の労働者が生活に困窮して、どのような労働条件でも附くようになって、どんな仕事でも就くようになる、窮迫販売すると、(全体の)労働条件が急速に下がるからです。日本の場合は非正規の労働者はヨーロッパの非正規とはずいぶん違う。4千数百万人の労働者のうち4分の1が200万円以下のワーキングプア、このような状況で失業率が(ヨーロッパより)低い、なぜ低いかというと窮迫販売してします。とにかく生活が困っているから。・・・・・・・労働者が身体をはって失業者の生活保障をするわけです。そうして全体の労働条件を上げていく。」
「だから、私たち社会運動というのは何かというと。自分たちが生み出した富を取り返す運動だ。企業から自立して、平等な社会ということは、賃金依存の生活を見直して、社会保障による生活の社会化。この時に国家の権力を使う。・・・・・・そして民主主義というのは、国民の声が反映できるんです。」