2014年4月9日水曜日

ホームレスになるということ

 最近、ホームレスになるということが他人事とは思えなくなっています。自分がホームレスになるとは考えもしなかった人達が、気が付いたらホームレスに転落していたという話をよく耳にします。そこそこ年収を稼いでいた部長クラスの管理職が、経営悪化を理由に退職勧奨され、その時は「ピンチはチャンス」とばかりに転職を選んだが、転職先はなかなか見つからない。やむなく1年契約の契約社員として中小企業に入社、収入は1/3に。しかし、家のローンは残っており、子供の養育費にもお金がかかり、一度身についた中流生活はなかなか引き下げることができない。そうこうするうちに数年がたち退職金も底をついてついつい消費者ローンに手を出す。借金が徐々に膨らんで、とうとう妻は家を出ていく。借金の支払いのために家を売り、賃貸に入居しようとしたが入居審査に通らず、野宿の生活が始まる。そして、そこから抜け出せなくなってしまった。
 これって誰でもホームレスになりうるということですよね。まさに紙一重で持ちこたえているともいえます。各地域の反貧困ネットワークの方たちがこうした人たちを何とか支えようと相談活動やシェルターと呼ばれる一時避難施設を提供しています。
 先日ある仲間が相談に来ました。一人暮らしでワーキングプア(毎日真面目に1日10時間働いています)ですが、祖父が残してくれた土地と家があるため、貧乏でも生きていけます。土地と家の権利は叔父さんと半分半分でしたが、叔父さんが不動産会社に権利を売ったために今不動産会社と共有の住居をめぐって争いになっています。不動産会社の最終的な目的は彼の持っている土地と家の権利を売れということでしょう。この時もやはり「ホームレス」という言葉が頭をよぎりました。やはり、住む家を確保するということは、私たちにとっては大変重要です。住む場所がなくなったら就職すらできません。そして、独身やワーキングプアが住む場所は徐々に減り、貧困ビジネスが横行するのです。

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