2014年4月11日金曜日

配転拒否について

 今日は、配転について少しふれておきたいと思います。配転は、今や正規職員の常識となっています。配転命令が出され、これに納得できず拒否した場合、業務命令違反で解雇されることもしばしばあります。したがって、この場合、一旦配転を受け入れて、その上で配転命令の効力について争うという方法が一般的です。しかし、どうしてもこれを受け入れられない場合もあります。特に介護や育児が必要で転勤や残業に耐えられない場合です。
 そこで、配転がどういう場合に無効になるかチェックしておきましょう。まず、雇用契約で職種や勤務地が限定されていると認められる場合は配転は労働者の承諾が必要です。一方的な配転命令は無効です。そうでない場合は、労働契約や就業規則でその根拠が明確にされていることが必要です。たとえば、「会社が必要と認める場合は配転を命ずることがある」などです。
 しかし、配転命令権の根拠があったとしても、法律に違反する場合(たとえば組合活動を理由とした配転、就業規則の条項に違反している配転)、権利乱用があった場合は無効となります。
 権利乱用か否かの判断は次の要素を勘案して判断されます。
1、配転を行う業務上の必要性の有無
2、人員選択の合理性
3、配転命令が不当な動機や目的でなされているかどうか(たとえば、嫌がらせによる事実上の退職強要)
4、労働者に負わせる不利益の度合い
5、配転に向けた手続きが取られているかどうか(配転理由をきちんと説明しているか、充分に考える時間を取っているか)
 全体的には、配転命令を認める判決が多いのも事実です。しかし、黙っていても何も前進しません。少しの光明は、育児介護休業法26条で、育児・介護が必要な労働者についてはその状況を配慮することが使用者に義務つけられたことです。

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